解放記念日 (13.05.2004)

毎年5月になると、「解放記念日」という言葉を聞きます。正直な所、一体何の記念日か、ぱっとしない。歴史に関心のある人なら、ナポレオンの支配に抵抗してドイツ、ロシアの連合軍がフランス軍と戦った解放戦争を思い浮かべることだろう。しかし今のドイツで開放記念日と言うと、実はこれ、ドイツの第二次大戦の降伏日の事です。

どうして、「敗戦」が「解放」という呼び方をされるようになったか、すぐに納得しないで考えてみるとなかなか面白い。日本でも「敗戦」と言わず「終戦」と言う通り、ドイツでも同じような理論で「敗戦」が、別の呼び方をするようになったわけです。でも、何故「敗戦」が「解放」なのでしょう。

元来、第二次大戦で解放という言葉は、強制収容所の囚人の解放か、連合軍によるフランスの解放を意味します。この元来の意味での解放を拡大解釈して、ドイツでは敗戦日を、「ドイツがナチスの支配から解放された日」という言い方をするようになったのです。つまり、ドイツ人は加害者じゃなくして、ナチスに支配された「被害者」という論理です。ドイツでは戦前、戦中、日本同様に国民の90%以上がナチスに賛成していたのに、戦争に負けると90%以上が、「俺たちは、ナチスの反対者だった。」と言うのは、かなり都合がいい。

しかしそうしないと、ドイツ人は、自分たちが第二次大戦を引きおこした張本人という過去の重荷をいつまでも背負う羽目になります。これは誇り高い、ドイツ人の誇りが許しません。そこで自分を加害者から、被害者に見立てる事により、ドイツ人の誇りを維持しているわけです。著者が知る限り、このトリックを最初に用いたのは、1999年から2004年までドイツの大統領だったJohannes Rau氏です。


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ドイツ「解放」の瞬間
無条件降伏文書に署名するJodl陸軍大将


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