Taetervolk (19.05.2004)

ドイツの2003年のUnwort(流行言葉。多くの場合が語法の誤りを含む。)ひとつにTaetervolkというのがありました。これはCDUの国会議員Hohmann氏が片田舎の演説集会で、ドイツ人の戦争での行為を正当化するために用いた言葉です。

演説にて同氏は、「第二次大戦中のユダヤ人は被害者としてのみ扱われているが、これは間違いである。旧ソ連のGPUではユダヤ人が要職を占め、あるいは人民委員として数多くのロシア国民の粛清を手伝った。明らかにユダヤ人は被害者ではなく、加害者(Taetervolk)である。』と演説。その場では、誰も異論をはさまず選挙活動は無事終了。その後、ご丁寧にHohmann氏が自分のインターネットのサイト上でこの演説を公開してから、問題は波及し始める。

同氏のコメントを読んだ読者が、新聞社に通報。テレビ局は同士の演説をトップニュースで扱い、まだ懲りてないナチ議員と非難。同氏は非難に驚いてコメントをWEBサイトから削除し、「ユダヤ人の気持ちを害した事を遺憾に思う。」と声明を発表して、謝罪した。野党からは、「生ぬるい!辞職すべきだ!」との要求もあったが、CDUでは「同議員は間違いを反省しているので、これで一件落着。」と声明して、この事件は終わったかに見えた。

その後、(よせばいいのに)Hohmann氏はあるテレビ局のインタビューで、「私があやっまたのは、あの演説で感情を害したであろう人に対する謝罪であって、私の歴史観は間違いではない。」と言ってしまった。よせばいいのに、さらに自分の歴史観に同感する読者(ドイツ陸軍の将官)からの励ましの手紙をカメラに見せ、「ドイツ国防軍の将軍もこの通り、私の意見に同意すると言っている。」と、将軍の名前を公開。結果としてそのドイツ軍、特殊部隊の将軍はこの番組が収録(公開ではない。)されて24時間以内に、防衛大臣直々テレビでクビ宣告を、同議員は、CDUの会議でCDUから除名される結果となった。

この事件を見てもわかるように、ドイツにおいてユダヤ人殺害のテーマは、慎重さを要求するテーマであり、このテーマを持ち出すことは政治家にとって絶対のタブーである。 ところが、毎月のようにこのタブーテーマを取りあげて、その後、謝罪、辞職する政治家が後を絶たないのも、ドイツの不思議のひとつである。

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首になった陸軍将官とHohmann氏


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