ロ-ルス ロイス争奪戦 (26.03.2004)

英国の誇り、高級車ロールスロイスは手作業にこだわった為、生産性が悪く、倒産か身売りの2社択一を余儀なくされた。まずこれに最初に目をつけたのがBMW社。もともとBMWはロールスロイスにエンジンを提供していたので、ロールスロイス社の間には繋がりがあり、売却額もすんなり決まってあとは、契約書にサインするのみとなった。ここで「ちょっと待った!」と言ったのがVフォルクスワ-ゲン社(以後、VWと略。)
大衆車のイメージからの脱却を目指すVWにとっては、会社のイメージアップにこれ以上適した手段はない。そこでVWはロールスロイスに対して自社の購入額をオファーする。これがBMW社のオファーより随分高かった為、ロールスロイス社はBMWとの契約を棚上げにする。仕方なくBMWは再度値段のオファーをするが、VWもこれに対抗して値段は上がる一方。ロールスロイス社はオファーが入ってくる度にお金が増えていくので喜ぶ一方。頭にきたBMWは、オファーの提示を止めてしまいます。結果、ロールスロイス社はVWに売却が決定され、VWは社長一同大喜び。でも、この喜びも、ほんのわずかしか続かなかった。

これ以上買値を上げたくないBMWは、ロールスロイスの登録商標がどこに、どうやって登録されているのか調べてみた。その結果、ロールスロイスという名前は車のロールスロイス社ではなく、会社設立時の親会社ヴィッカ-ス社にある事を突き止める。これだけ知ってしまえば、あんな生産性の悪いロールスロイス社の工場なんか買っても金の無駄使い。ロールスロイス社はVWにくれてやる。そう考えたBMWはヴィッカ-ス社からわずかのお金でロールスロイスの登録商標を買ってしまう。結果として、高い金を出してロールスロイス社を買ったVW社、商標のレンタル期限が切れる2年間のみこの名前を使う事ができ、以後は、一切、ロールスロイスの名前を使う事ができなくなり事態に直面した。これを知ったVWは、さぞ、腹がたった事に違いない。結局、VWは大金を払ったにもかかわらず、ロールスロイスの名前を使用することを諦め、ベントレーという名前で高級車を売り出す事になりました。

さらに面白いのが、後日談。この一大買収劇を演じたBMWの社長はその前に購入したローバー社の成績悪化の責任を取らされてBMWを首になってしまう。失業してしまったBMWの社長を救ったのがなんとVWの社長。「あれだけのペテンをやるからには、余程の大物に違いない。」と、自信の社長の人気が切れる際に、元BMWの社長をVWの社長として迎えます。この辺が、日本の社会との大きな違いだ。日本には大きな(有名)会社で働いていると、「偉い。」というおかしな考え方ある。ドイツ人は会社名に拘らない。それよりも大事なのは、個人の能力だ。誰かがその能力を発揮すれば、敵対している会社だろうが構わなく、その人物を自社に取り入れる事により、自社の利益に転換しようとする。こうした実際的な考え方が、日本人と比べてドイツ人の強みとなっている。


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DUS市内で見かけたベントレー。社用車に1台欲しい

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BMWになって開発された最初のRolls Royce、Phantom



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