Das Allerletzte! (05.11.2004)

ドイツの2004年の経済成長率は、1,5%前後と予想されている。経済調査機関は翌2005年には、政府の期待を裏切って、1.5%以下の経済成長を予測しており、ドイツ経済の見通しは相変わらず暗い。EUの加盟国が拡大される前、ギリシャやポルトガルが参加すると「これらの国の低い経済性が他の加盟国の重荷になるのでは?」と、懸念された。しかしいざ蓋を開けてみるとEU加盟国内で一番経済成長率が低いのは、よりによってドイツである事が判明してしまった。

EUの通貨安定協約では国家財政に占める負債の割合は3%未満と決めてあるが、ドイツは不況により税収入が減り続け、健全な予算案が立てれず、この協約を2002年以来破り続けている。にもかかわらず政府は未だに(誰ももう信用していないのに)2005年には、この3%の枠をクリアすると豪語しているから、なかな勇ましい。しかし、今回の経済調査機関の長期見通し発表により、この望は潰えたかに見えた。しかし、そこはドイツ人のドイツ人たる由縁である、「どんなに負けが明白でも、絶対に負けを認めない。」というドイツ人魂を発揮して、大蔵大臣は2005年にこの3%未満の負債額を達成する最後の手段を考案した。それは、ドイツ統一の日の祝日を潰して、ドイツ国民に1日多めに働いてもらおう!というものであった。

ドイツでは日本のように祝日が日曜日と重なっても、振り替え休日というものがないから、ドイツ人は、祝日が日曜日になる度に悔しい思いをしている。そこで大蔵大臣は、「ドイツ統一の祝日を10月最初の日曜日にしようじゃないか。」と提案した。休日が少なければ、国民経済の生産高は上昇して、経済は活性化して、国民にお金がいきわたり、最後には税金収入も増えて、国家予算の負債が3%の枠内にをおさえられる。と考えたのである。冗談のような話だが、ドイツの大蔵大臣は大真面目である。ただしこれを聞かされた国民は、大ブーイング。与党の党首は意見を求められて、"Das ist das Allerletzte!"(よくもそんな事が考えられるもんだ。)と呆れ顔。結局、文化人、政府与党内からも反対の声が高くなり、大蔵大臣は奥の手を発表してから3日目にして、提案を取り下げる事をやむなくされた。大蔵大臣の次の奥の手に期待したい。


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EUの定めた負債額を達成できない為、この条項の改定を求めるドイツの財務大臣(1999~2005)Eichel氏


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