増え続ける失業者 (05.03.2005)

ドイツの失業者数は2005年2月、さらに増加してとうとう520万人を突破した。実際には、失業者の統計に出てこない失業者(浮浪者)が数多いので、実際の失業者数は600~700万人ではないかとも言われている。政府の公式発表の520万を信用するとしても、これはなんと成人の4人に1人が失業者である。これ、つまり成人には年金生活者も含まれているから、勤労適格者だけ見れば、5人のうち2人が失業しているという事になる。

これだけドイツで失業者が多かったのは、ドイツの歴史上、第一次大戦後にドイツ経済が破綻した1920~30年代以来の数字である。現在の首相は就任演説で、「政府の能力は、(減っていく)失業者の数字で判断してくれ!」と公言したから、これは間違いなく政府の無能力を証明するものでもある。今、ドイツではこの膨大な失業者数をめぐって連邦政府と地方政府の間で大きな問題になっている。それは失業者をどうやって減らすかという問題ではなく、地方政府が勤労不可能な生活保護者を無理やり勤労可能な失業者にしているという問題の解決とは全く関係のない問題でもめているから、これがいかにもドイツ的で面白い。

地方政府はどこも破産寸前であるからなんとかして予算(出費)をおさえたい。勤労不可能な生活保護者への生活保護金の支給は地方政府の任務である。ところが、失業者への失業金の支払いは連邦政府の任務である。だから、生活保護を受けている者を紙の上で「勤労可能な失業者」にしてしまえば、地方政府は予算をかなり節約できる。これに目をつけた地方政府は片っ端から生活保護金受給者を失業者に「書き換え」している。ひどい場合は余命短い癌患者を失業者に仕立て上げている。あまりの「やり放題」に怒った連邦政府は、調査委員会を設けてこうしたケースを監査していくという。その一方で、一向に失業対策は行なわれない。いかにもこれがドイツのドイツらしい所である。いつもどこか、問題がずれてしまっている。

編集後記
お先真っ暗だったドイツの労働市場は、よりによってここで批判したシュレーダー政権の政策の効果が出て、2006年あたりから改善を初め、2011年には失業者数3百人を割った。当時と比べると失業者の数は半減した。あまりに失業者の数が減ってたので、労働局では仕事がなく、17000もの職場が閉鎖になった。一体、誰が当時、このような発展を想像する事ができただろう。


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失業保険の給付に押し寄せる失業者の群れ



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