理想と現実。 (15.06.2006)

ドイツで生活して初めて経験するのが、ドイツ人の頼りなさ。例えば、電話線をアパートに引くので、ドイツテレコムまでわざわざ出かけて、電話線工事のアポイントを取る。わざわざ仕事を休んで、自宅で待てども待てども、全く来ない。怒ってテレコムに出かけて、どうなっているの?って聞くと、「あ、忘れてた。」ってなもんで、また新たにアポイントを取る事になる。2度目には本当に来るの事が多いが、会社の同僚は2度までもアポイントをすっぽかされた記録を持っている。

仕事をしていても、「明日にはわかるから、この時間に電話して。」というので電話すると、「彼女は、もう帰りました。」(まだ午後4時だ!)って事が多い。そこでお客さんに、「連絡が取れなかったので、あと1日待ってください。」とお願いする事になるのだが、あと1日があと2日、3日、となる事も少なくない。日本人であれば、頼まれた仕事があれば、それを片付けてから帰宅するか、せめて先方に事情を説明するのが「仁義」というものだろう。ドイツ人は、どんなに大切なことをお願いしていても、「これをやっていると、神聖なる帰宅時間に間に合わない。」と判断すると、そこで仕事を辞めてコーヒーを飲みながら帰宅時間が来るのを待って、そのまま帰ってしまうのだから、恐るべし。だからドイツで「計画通り。」という現象はない。どんな簡単な事でも必ず遅れる。

Airbusが誇る世界最大の旅客機A380の納入が、最低でも7ケ月遅れると発表しても、「わかっていたよ。」という気持ちにしかならない。原因はハンブルク工場での配線工事の大幅な遅れ。それ、いわんこっちゃない。ちなみに、飛行機の納入は「遅れちゃった。ごめん。」では済まない。契約違反には当然、罰金がある。この納入の遅れでAirbus社は今後、毎年7億円もの損出を出すことになる。ちなみに新しい飛行機はよく落ちる。今は、完璧な飛行機と誉れの高いAirbus320だが、実際には1990年と1992年に製造ミスで落っこちて、人が大勢死んでやっと改善された。

Airbus社のフラッグシップA380の納入が遅れることがわかった翌日、Airbus社の株を保持するヨーロッパ(ドイツ)の軍産複合体であるEADS社の株価が暴落。いきなり30%も値を落として、EADS社は1日で7000千万ユーロ(邦貨で70億円程度)も失った。さらに飛行機受注は下降気味で、ライバルのボーイング社に受注の数でまた抜かれている所だっただけに、今回のニュースはまさに泣きっ面に蜂。
 

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予想通り?納入が予定より半年~1年遅れる事が公になったAirbus380



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