回復するドイツ経済? (31.12.2006)

ドイツでは2006年11月に失業者の数が400万人を割った。12月以降、再び400万を突破することが予想されているので、これは一時的なものにすぎないが、それでも2002年以来、実に4年ぶりの快挙である。ドイツの経済団体は2007年の平均的な失業者の数を400万人と見積もっているので、まだまだ峠を越えたわけではないが、景気が回復しつつあるのは間違いない。失業者の数が400万人を割ったと聞いて、政治家は、皆、自分の手柄であると自画自賛していたが、実の所、誰の手柄でもない。ドイツの経済が回復の兆しにあるのは、世界経済が調子がいいことに理由がある。

ドイツは日本同様に原料を輸入して、これを製品に加工、輸出する輸出立国だ。世界中どこに行っても日本の家電が売られているから、まるで日本が輸出の世界チャンピオンのように錯覚してしまいそうだが、日本は輸出高(595 Mrd.Dollar)で見ると、中国に続いて世界第4の地位にある。これに比べて、ドイツはなんと米国を凌いで世界一の輸出高、970Mrd.Dollarを誇る。(WTOが発表のデータ/2006年に拠る。)つまり日本の輸出高を1.6倍も上回っている。

この輸出高が、日本の人口の6.5割の人口しかない国(しかも失業率10%、失業者400万)で行われるということを考えれば、どれだけドイツ経済が輸出に依存しているかわかりやすい。早い話、政治家は何もしなくても、世界景気が回復すれば、ドイツの景気も回復するし、世界景気が冷え込めば、一番最初に冷え込むのがドイツの景気である。

輸出高が高いという事は、一見 、とてもいい事にように思えるかもしれないが、実際はマイナス面も多い。例えば、携帯電話を見てみよう。日本で製品を開発、販売する際、企業の開発部では国内の市場動向を見ていればいい。ところがドイツでは、ドイツで販売する携帯電話をドイツだけでなく、欧州、アジアに輸出するので、世界中のマーケットで売れるデザインでなくてはならない。値段も世界のマーケットで競争力がなくてはならないから、安く生産する必要がある。この為、人件費(お給料)の高いドイツでの生産を避けて、ハンガリーなどで生産する。逆に言えば、ドイツ企業は輸出で儲けても、会社、工場は外国にあるので、ドイツで失業問題は一向に改善されない。その他にも国内市場(内需)が小さいので、世界経済が不景気になるとそのあおりをモロに受けるなど、輸出依存型経済の欠点にさらされている。

こうした背景があって、ドイツではドイツの会社は儲かっても、ドイツは失業問題を抱えたままという問題を抱えている。これに比して、日本では日本企業が儲かれば、(まだ)日本で人を雇うので、失業問題はドイツのそれほど深刻な問題にならなくて済むという利点がある。何はともあれ、世界経済の調子回復に伴いドイツの景気が回復しつつあるのは事実で、これに伴いわずかながら失業率の改善が期待できそうだ。

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