納入延期。 (04.02.2007)

すでにここで何度も取り上げたAirbusだが、2007年になっても未だに新聞のヘッドラインを飾り続けている。まず最初にニュースになってのはAirbus社の誇りである世界で一番でかい旅客機、A380の納入遅延に関して。

シンガポール航空はこの航空機を2007年の納入契約で10機注文していたが、数ヶ月前の発表とは異なり、年内には1機も納入できない事が明らかになった。その他にもインド航空、エミレーツ航空、タイ航空などにも納期を延期してもらう事になった。納期の延期と言っても、「遅れちゃった。」では済まない。エアバスはシンガポール航空だけ取ってみても、2億ユーロもの罰金を払う事になっている。結果として、この罰金が会社の業績を悪化させる結果となり、また株価が下がる原因となった。

エアバスの問題は必要もないのに、工場をヨーロッパ中に「ばら撒きした。」事にある。ドイツ国内だけでも北ドイツから南ドイツに工場が散在しているので、部品を組み立てるには、わざわざこの部品を高い金と時間をかけて別の国にある工場まで運んでいかなくてはならない。この問題とやっと取り組む気になったエアバス社は、欧州内での工場の整備を発表した。つまり散らばって工場を幾つか閉鎖して、幾つかの製造拠点に集中させることにした。これによりドイツ国内で8000近い職場が失われる事になる。

これをニュースで聞き知ったエアバスの社員は、一斉に抗議デモを行った。当然、政治家も都合よくこの抗議デモに参加して、「政治的観点から、エアバス社の運営を見るべきだ。」と都合のいい事を叫んでいた。実際のところ、現在のエアバス社の危機を招いたのは、政治的配慮で工場をヨーロッパ中にばら撒いた事にあるのに、また政治的観点から工場をそのまま放置してしまおうと言うのだから、政治家とは本当に都合のいい人種だ。

今後、ドイツ国内で2つ、3つ工場が閉鎖されるのは避けられないだろう。こうした工場は騒音が問題にならない地域、つまり産業基盤の弱い地方にあるので、エアバスの工場が街で唯一の勤め先であったりする。だから、エアバスがなくなるとここで勤めていた労働者は他の仕事に就く事もできない。こうした背景もあって、今回の抗議デモになったわけだ。しかし、この労働者の多くは近い将来、失業の憂き目に合うのは避けられないだろう。

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工場閉鎖に対して抗議するAirbusの労働者


 
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