God bless Amerika! (27.10.2007)

スイス及びリヒテンシュタインに賄賂口座(Schwarzkonto)を作り、ここから収賄に必要なお金を調達して世界中、ナイジェリアからタイまで、仕事を受注してきたジーメンスの営業の姿をここで紹介したが、その収賄口座の正確な額面、6億ユーロという説もあれば、10億という説もある、は、社長の留任拒否(責任を負わされる前に辞任。)で、見事に闇に葬られてしまった。

と言うのも、この収賄容疑を調査していたミュンヘンの検察が、10月の初めに罰金2億ユーロを払えば、これ以上の調査を辞めると発表してしまったからだ。6億ユーロを超える収賄口座を持つ会社にとって、罰金2億ユーロなんぞ、ピーナッツ。こうした恩赦にも等しい判決が出た背景には、ミュンヘンの検察が実態の調査、その公開に、さらさら興味がなかった事を如実に示している。ジーメンスはバイエルン州の大企業。企業が納める税金は馬鹿にならない。逆に言えば、検察が収賄容疑を固めて、法廷闘争になり、有罪判決が下った際の影響は、ジーメンスよりもバイエルン州にもっと応える。そこでバイエルン州で永久政権にあるCDUは、検察に対して真面目に調査しないように配慮した。

だいたい、ミュンヘンの検察の調査に対する、ジーメンスの協力は尋常ではなかった。検察が押収した膨大な資料のデジタル化(書類では量が膨大なので、これをPCで見えるようにデータをPCで打ち込んだ。)の作業をジーメンスが担当した。その気になれば、データを誤魔化すか、証拠物件をこっそり持ち去る事もいできただろう。こうした環境から、まともな判決が生まれてくる筈がない。そして案の定、スズメの涙とも言える(laecherlich)、今回の罰金の判決だ。このニュースが伝わるや、ジーメンスの株価はロケットのように上昇した。(普通は、判決が出ると株価が暴落する。)

株主でもない限り、一般消費者としては、この判決は腹立たしい限りだ。つまり、今回の判決により、「金持ちは罰せられない。」という黄金のルールがまたも証明された事になる。これでは宗教改革前の免罪符の時代と何も変わっていない。金さえあれば、どんな罪からも解放されるのだろうか。もうこの時代には、教会(ジーメンス)の悪事を裁く、ルターは居ないのだろうか。

それが居るんである。何を隠そう、アメリカの証券委員会だ。米国の株式市場に上場している会社は、この委員会の厳しい監査の下にある。以前、日本の会社が違法な取引をしてこの委員会に摘発された際、目玉の飛び出るような膨大な罰金を払うか、それとも米国での株式上場停止処分のどちらかを選択せよという判決が下った。この恐るべし米国の証券委員会が、ジーメンスの収賄事件の調査を始めて、だらしのない判決を下したミュンヘン検察に資料を渡すように要請している。米国の証券委員会は、ドイツの企業、つまりアメリカの会社の競争相手、に手加減を加える謂れはないから、かなり厳しい判決が出ると予想されている。証券委員会の今後の調査に大いに期待したい。God save Amerika!


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ドイツでは何をしても無罪。お上がバックについている。

 
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