Der Kluegere gibt nach. (05.11.2007)

7~8月にドイツ鉄道のストについてここで紹介したので、まだこの問題の背景をご存知の方もきっと多いこと思う。あれから4ヶ月ほど経ったので、「とっくに問題は解決したんじゃ?」と思われるかもしれないが、ドイツ人はお金のことには特に細かいので、命の次に大事なテーマは、そう簡単には解決するものではない。そこで今日は、この問題のその後の展開(あるいは非展開)、について紹介してみようと思う。

労働裁判所が9月末まで貨物、及び遠距離路線でのスト禁止令を下した為、これまでストは近距離路線(S-Bahn)に限られていた。しかし、出勤時間にストが行われたため、都市部ではなかりの混乱を引き起こした。車を持っている人は、皆、車で通勤しようとした為に、道路は車で一杯で、それはものすごい渋滞だった。ここデッユセルドルフでも 、道路はその限界に達してバンコク並みの渋滞が発生していた。このストで唯一得をしたのはレンタカー会社。ストだからといって、会社に遅れて出勤する事を許されない哀れな会社員は、出勤の足(車)を獲得する為に、レンタカーを予約。おかげでレンタカー会社には、空いている車が一台もないという状況が生じた。

10月になって、来年株式上場を目指しているので、大きなスキャンダルを避けたい雇用者側(DB・ドイツ鉄道)は、かなりの給与アップを認めた案を提案したのだが、機関車の運転手からなる労働組合GDLは、「31%の給与アップ及び、GDL独自の給与体系」が実現されていないとして、この案を記者会見でこき下ろして、即座に新たなストを宣言。このストは30時間以上も続いて、一般市民の生活に大きな混乱を引き起こしただけでなく、電車欠落によりDBに億単位の損害をもたらした。しかし、面子を潰されたDBもこれ以上の妥協を拒否、交渉は完全に行き詰った。

そして今回、11月3日に労働裁判所で新たな判決が下った。労働裁判所はGDL、に貨物及び遠距離路線でのストを許可されてしまった。GDLは喜び勇んで、早速、(DBに一番堪える)貨物路線でのストを宣言。それでもDBが、要求を満たさない場合は、ストを遠距離、近距離路線まで拡大すると脅しをかけてきた。痛いところを握られていて、労働組合に対抗する手段のないDBの社長Mehdorn氏は首相に手紙を書いて、助け(仲裁)を求めている状況で、この労使交渉の問題は一向に解決する方向に向かっていない。

この状況に油を注いでいるのが、Mehdorn氏とGDLのトップのSchell氏の関係だ。この両氏は、顔写真からわかるようにかなりの頑固者、犬猿の仲であり、双方共に1cmたりとも譲歩することを頑なに拒んでいる。ちょうどドイツ語で、"Der Kluegere gibt nach."(賢い方が譲歩する。)と言う通りで、賢い人間が居ないと、譲歩する人間も居ない。この問題は当分続きそうなので、11月~12月に留学される方は、DBのホームページでストの動向に十分注意してください。2008年にはこの問題が、どんな形であれ、解決していることを祈ります。



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頑固者Nr.1 Mehdorn氏


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頑固者Nr.2 Schell氏


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