無期限スト (26.07.2008)

来たる7月28日(月曜日)0時からルフトハンザ(の職員が)無期限ストに突入する。これによりすべてのフライトがキャンセルになるわけではないが、空港でチェックインなどを行う職員もストライキに参加する為、間違いなく(ドイツの)空港は大混雑になるだろう。月曜日以降にルフトハンザの便で旅行、帰国等予定しておられる方は、早めに空港に出かけて、チケットを代わりのフライトに変更できないか、交渉することをお勧めします。幸い、(大赤字でルフトハンザに買収されるのも時間の問題と噂の)オーストリア航空が、ルフトハンザの乗客を受け入れるそうなので、日本行きなどのフライトはオーストリア航空にて飛ぶことができる筈。(空席がある限りは。)

今回のストは無期限ストなので、最短でも1週間、最悪の場合、2~3週間続くかもしれない。この休暇時期(航空会社にとって1年で一番儲かる時期)の無期限ストは、雇用者側(ルフトハンザ)にとって、とっても痛い。原油高で23ユーロから12ユーロに暴落していた株価がやっと15ユーロまで回復してきた矢先だけに、ルフトハンザはなんとかしてこのストを回避しようと被雇用者側(労働組合)にかなり妥協、6.7%もの給与アップ及びプラス一回きりの特別ボーナスを提示したのだが、労働組合は法外な9.8%の賃金アップを要求して妥協を拒否、今回のストとなった。

日本ならこうした会社を損なうような労働組合の一方的なストは行われないだろうが、残念ながらドイツでは一般的。労働組合は無謀な賃金アップ要求で、会社の経営がいきずまるかも知れないなど考えもしないで、会社から絞り取れるだけ絞り取ろうとする。その恐喝手段としてストライキを頻繁に使用するが、会社の生産(活動)拠点をドイツに置いてる場合、会社側は労働組合に痛い所を握られており、これに長く抵抗することができない。こうして理不尽とも思える給与アップが可能になると、この給与を支払うために、会社は製品、サービスの値上げを余儀なくされる。その結果、ドイツ製品の値段は車でも、鉄鋼でも修理サービスでも世界で一番高いものとなっている。

生産業の場合、これでは世界市場では競争力に欠けるので、遅かれ、早かれ、ドイツ国内の工場を閉鎖、東ヨーロッパ、アジアに生産拠点を移すことになる。するとさっきまで笑っていた労働組合は急に元気がなくなり、「利益しか考えない資本主義の悪い例。」と会社側を非難することになるのだが、自業自得だろう。日本は和を重視する社会なので、労働組合がこうした無茶な要求をすることがなく、会社は安心して生産拠点を日本国内に保持でき、ひいてはこれが被雇用者の生活(仕事)の安定につながっている。

話をルフトハンザに戻そう。今回のスト騒動で、ルフトハンザの上層部には労働組合の危険性が再度、認識されることとなるだろう。しかし、チェックインサービスなどは国外に移動させることができない。残された手段は、孫会社の創立と派遣社員の起用ということになるだろう。一度雇ってしまうと正社員は簡単に首にする事ができないので、賃上げ要求をしない派遣社員を頻繁に利用することになる。その度に派遣会社に人員を派遣してもらうのでは、ルフトハンザのような大きな会社では費用がかさむ。そこでルフトハンザの子会社として、資本を提供して〇〇人材派遣会社を設立、ここから社員を派遣することにすれば、ルフトハンザが払う派遣社員の紹介費用は、回りまわってルフトハンザに戻ってくる事になり、ルフトハンザの売り上げは上昇、ストの危険も減少して一石三鳥ということになる。

追記
8月1日、労働組合側とルフトハンザの間で給与交渉が合意に達した。今回のストは地上勤務員のストだったので、飛行機の整備などもできない為、日に日に離陸できない飛行機が増えていった。ルフトハンザはフランクフルトに到着する他の航空会社の飛行機の整備も請け負っていた為、会社側にとっては痛い損失だった。今日のストの終了に伴って明日から整備も始まるそうだが、整備が必要な飛行機の数は多く、すべての便がスケジュール通りのフライトになるには2週間ばかりかかるそうだ。

編集後記
ストに業を煮やしたルフトハンザは、独自の人材派遣会社を設立して、ここからドイツ国内のフライトに必要な客室乗務員を派遣すると発表した。労働組合は、「ローンダンピングだ!」と非難しているが自業自得だろう。ルフトハンザにとってこれ以上、労働組合に急所を握られて賃金が上昇を続けるのでは、競争に勝てない。ちなみに何故、ドイツ国内のフライトに限っての人材派遣かと言えば、国際線では外国で安い乗務員を採用する事ができるので、遭えて必要ない為だ。タイ行きのフライトでは、これまで1名だけだったタイ人の乗務員を4~5名に増やせば、ドイツ人の乗務員2~3人の給料で済んでしまう。今後、ルフトハンザのフライトでは、まずますドイツ人の乗務員の数が減っていく事だろう。
          

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いつまで続くかこのストは、、。
 

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