寄付 (06.08.2004)

ドイツ人は、よく寄付をする。銀行などにいくといろんな団体の振込用紙が山のように置いてある。ドイツでは寄付をすると税金控除の対策にもなるので、お金を余分に持っている人は「税金を払うよりは、寄付でも、、。」という気分になるらしい。そうなると当然、寄付金を目的に詐欺を働く輩がでてくるのは必死。金のあるところには、犯罪者が集まるものだ。

先のユーゴ内戦では、テレビでユーゴの惨状を報道して、哀れな戦争被災者に医療品、薬品を!という謳い文句でかなりの寄付を集めることに成功した。ところが、実際にトラックに満載されて現地に届けられたのは、使用期限の切れた避妊用ピルと薬品の山だった。先のイラク戦争でも、戦争が始まるやいなや「イラク復興支援」という目的で、支援団体が春先の竹の子のようにいきなりボコボコと登場して寄付金を募った。あまりにひどい現状にドイツ政府が「これらの団体に寄付をしないように。」と、呼びかけるほどだった。

そうかと思うと、ケルンにある慈善団体は寄付金を集める為、船をチャーターして、内戦に荒れるスーダンに向けて出向した。果たして計画通り、マルタ島沖で「避難民」を乗せたボートに出会う事ができた。国際法なら、避難民を急遽、近くの港に運ぶの。だがキャプテンは、「まだこれでは十分は宣伝効果がない。」と判断。以後、難民を連れてイタリアとアフリカの間を2週間にわたって行き来することになった。結局、それ以上の避難民が見つからないので、仕方なく寄航する事に。しかし、イタリアの港は、寄航許可を拒否してまう。イタリアは今まで、アフリカからの密入国者に悩まされ続けてきたから、これ以上、難民を受け入れるつもりは毛頭なかった。

行き場がなくなったこの船は、キャプテンが緊急事態と港湾に伝達、イタリアの港に半強制的に入港した。(緊急事態の場合、港湾は寄港を拒否できない。)船が入港するやいなや、キャプテン以下、団体に所属する人間は逮捕されてしまう。

ドイツ人はイタリア政府の行動に憤慨。一時は両国関係の悪化が懸念された。ところがよく調べてみるとイタリア政府は、この船が避難を保護した時点で最寄の港湾に向かうことを指示していたのに、船のキャプテンがこれを拒絶していた事が判明。おまけにスーダンからの避難民と言っていたのに、実際には全く他の国からの経済難民で、要するにイタリアに密入国をたくらんでいた密入国者だった。これが新聞に報道されると、戦争避難民を使って寄付金を募る悪質団体として一躍有名になる。今後、この団体に対してイタリアで密入国援助の疑いで公判が予定されている。


ドイツでよく見かける募金のポスター。
黒人、子供、貧困の3要素を満たしていれば、集金にもっとも効果がある。
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