Luxus-und Lustreise  (14.07.2005)

今日は、今ドイツで話題のスキャンダルを(多分、どこでも紹介していないだろうから)ここで紹介しよう。話の中心はVW(フォルクスワーゲン)社。

この会社は、州政府が会社の株を保持しており、半官半民のような感があるが、その他にも労働組合が会社の取締役に席を置いていたりと、普通の企業とは異なる面がある。しかし製造業にとっては労働組合は目の上のたんこぶ。その組合が取締役員になっているから、賃金交渉はおろか、役員の任命さえ労働組合の同意を必要とする 。つまり労働組合の同意がないと、何も決済できない会社構造である。

結果として、VWはフォルクスワーゲン、つまり国民車であるはずなのに、労働組合の言うがまま間に労働賃金が高騰を続け、これが車の値段に反映されて、国民車どころではなく高級車並の値段になってしまっている。当然、10年来不況の続くドイツでは国民はそんな高級車を買う金がないから、代わりにフランス製の車を買う。(日本車のシェアは11%程度でどちらかといえば下降気味。)車が売れないにもかかわらず労働組合の力が強いから、リストラを行なうことができず、不要な労働者を多く抱えてVW社はかってない経済難に陥っている。

会社を破産から救う為、リストラの必要性が話題になっていた矢先に、ドイツのスポーツ新聞社が、VW社の秘密の会社経営を紙面で実に細かく報道、政界までを巻き込んだ大スキャンダルになった。新聞で報道されたVW社の秘密の会社経営とは以下の通りだった。(品がないので、下品な話題を嫌う人はこれ以上、読まないでください。)

VW社では、発言力のある労働組合幹部を毎年、会社経費でブラジルにご招待というLuxusreise(豪華旅行)を提供していた。この旅行が実際には、現地で売春婦を集めての酒池肉林(Lustreise)のお祭りであった事が新聞にすっぱ抜かれた。勿論、全部会社経費。こうしてVW社では、労働組合のボスのご機嫌を取って労働交渉で手加減をしてもらっていたのだ 。これだけなら、まだ良かった(?)のだが、人事部長がパリの一流ホテルに(これまたブラジルの)売春婦を呼びよせて、会社経費で楽しんでいた事まで新聞がすっぱ抜いてしまった。新聞社は事後調査にも余念がなく、その売春婦の居所を突き止め、売春婦の写真(人事部長の写真を笑いながら抱えている。)を新聞に載せた。あまりの恥ずかしさに絶えかねた肝心の人事部長は、役員からの辞任を表明した。

実はこの人事部長は、ドイツの首相の経済面での補佐役であり、ドイツで戦後最大の社会改革(Hartz4)を立案した人物なのである。Hartz4の一番大きな改革は失業者への失業金給付期間の大幅短縮で、この政策は人事部長の名前にちなんでHartz4と呼ばれた。皮肉な事に今回のスキャンダルでHartz氏は失業してしまい自ら発案したHartz4のお世話になる事になった。

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華麗な(?)最後を飾ったVW社の人事部長のHatrz氏。

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