教会税  (05.10.2004)

今回は税金、それもドイツ特有の教会税をとり取り上げる。ドイツで生まれて教会で洗礼を受けると、その教会の信者として登録され、自動的に教会税の支払いの義務が生まれる。牧師だって、所詮はお金儲けの職業の一手段にしか過ぎないいい証拠だ。

ドイツでは未だに神を信じている人の割合が高い。しかし、ドイツでも時代の兆候には逆らえず、キリスト教(神)を信仰する人の数は減る一方だ。当然、今のような不景気な時期には「1EURたりとも無駄なお金を払いたくない。」という考えから、神を信じていなくても教会に留まっていた人達が、経済難から教会から脱退を始めている。そのいい例が、ドイツ女子テニスの有名人、シュテフィー グラーフ。彼女が教会税を節約する為、教会から脱退した時には、教会は失われる収入はともかく、他の若い人への波紋を恐れて、グラーフを非難する声明を出したほどだ。

しかし、当時はまだドイツ経済の(最後の)黄金時代だったから、教会税もまだ十分収入があって、牧師(ちなみに大卒である。)への高価な給与を払う事ができた。ところが、90年代終わりからの不景気で教会税の収入が激減。将来の給与を心配した牧師達は集まって神に祈るかわりに、弁護士に相談した。そして、弁護士は期待通り、教会税を未玲永劫に渡って保証する金鉱を見つけ出した。

金鉱は東ドイツにあった。当時社会主義下の東ドイツでは、宗教は歓迎されていなかったので公務員になるには、教会を脱退する必要があった。社会主義下ではみんな公務員みたいなものだが、とにかく多くの東ドイツ国民は、国の奨励もあって教会を脱退した。この旧東ドイツの教会離脱者は、当然、西ドイツでは登録されていないから、西ドイツが東ドイツを吸収した時点で、その教会脱退の証拠文書がなくなるか、無効になった。これに目つけた教会の使途(弁護士)は、旧東ドイツ国民に「過去5年間の滞納されている教会税を支払いなさい。」という中身の手紙と一緒に1000EURの請求書を送りつけた。東ドイツ国民は教会のサラ金のような手口に怒って裁判所に訴えるが、裁判所は、「教会を脱退した証拠を出す義務は信者にある。」としてこの訴えを却下。

ドイツ統合で貧乏くじを引かされた東ドイツ国民は、それでなくても「昔の方が良かった。」と昔を懐古していたのに、今回の教会の行動と、裁判所の判決で今のドイツ政府に対する信用を完全に失った。


神のご加護も、
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金次第。
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