Zwangsehe (27.11.2008)

今年の春先にまたドイツ国内でイスラム教徒の若い女性(16歳)が、実の兄に路上で惨殺された。アフガニスタンからの難民であるこの家族は、厳しい戒律の元に生活をしていたが、ドイツ国内で育った娘は、必ずしも模範的なイスラム教徒ではなかった。イスラムの教えに従わない為、家庭内で何度も暴行を受けて、その度に家出をしてJugendamtの保護下にて逃亡生活を送っていた。今回も週末になって家庭内で暴力沙汰になり、逃げ出したのだが肝心のJugendamtは「週末なので、月曜日に来てください、」という対応。行き場がなくなったところを路上に誘い出されて、惨殺されてしまった。この事件により、以前から評判のよくなかったドイツの官庁とイスラム教に対する一般ドイツ人のイメージは、さらに失墜した。

この事件のようにテレビで報道されると、一般大衆の注目を浴びるが、なかなか表に出ない事件も多い。例えばドイツには210万人のトルコ人が住んでいるが、子供が成人すると、婿(嫁)探しが始まる。自分で結婚相手を選べるというは夢物語で、そういうことをすると上述のように惨殺されるか、運が良くても家族との縁が綺切れてしまう。成人した子供が女性の場合は、両親がトルコ国内で婿を探してくるので、強制的に帰国、結婚となる。成人した子供が男性の場合は、両親がトルコで若い(14歳~)トルコ人のお嫁さんを見つけてくる。ドイツの法律では14歳では結婚できないので、(花婿の)両親はまずはトルコの役所に出向き18歳と届出をする。出生届けも何もないトルコの片田舎だから、両親が18歳と言えば、14歳の少女も18歳で登録が可能である。こうして正式に成人したお嫁さんはドイツに送られて、トルコ人男性と結婚をするわけである。こうした両親による強制的な結婚をZwangsehe、あるいはZwangsheiratと言う。

トルコ人女性が結婚の為にトルコに帰ってしまうと、その後、何が起こってもドイツで報じられる事はほとんどないので、ここでは紹介することができない。逆にドイツで問題になっているのが、トルコからやってきたお嫁さんの家庭内での虐待だ。まだ他の子供と遊んでいたい年頃なのに、見たこともない国に送られて、見たこともない男と無理やり結婚させられ、「結婚生活」を強いるのだから、女性にしては楽ではない。旦那の暴力も珍しいことではなく、かなり虐げられた生活を送ってるトルコ人女性は少なくない。かと言って、家庭から逃げ出そうものなら運命は見えているし、どこかに助けを求めようにもドイツ語ができないから、お先真っ暗だ。逆に言えば、トルコからお嫁さんを呼び寄せる場合、少々手荒な扱いをしても、何処にも行けないし、誰にも助けを求めることができないので、まさに都合がいい。だから、わざわざお嫁さんをトルコから連れてくるわけである。

ドイツでは人権問題、特に女性の権利に関しては、いい意味でも悪い意味でも、目をみはるものがある。ある台所メーカーが、最新のキッチンで楽しそうに料理をしている女性をコマーシャルで流したら、「女性差別。」ということになり、このコマーシャルお蔵入りとなったほどだ。だから女性が家庭内で暴行を受けて病院送りになるケースが増えるにつれて、Zwangseheも社会問題になってきた。特に旦那力に耐え切れず逃げ出した女性たちが、トルコから送り込まれてくる花嫁の実態(自分の経験を語るだけでいい。)をマスコミに明かすと、これに勇気づけられて、虐待されている家庭から逃げ出すトルコ人女性が続出。こうした女性は命の危険にさらされているので、(女性の)人権団体が活動を初め相談所や避難所を提供している。尚、イスラム教団体の公式声明によると、こうした女性の虐待は宗教が原因なのではなく、家族の名誉を第一と考える個々の(家族)問題であってイスラム教と同一視しないように呼びかけている。



結婚前。
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結婚後。
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