Mir Nach! (02.01.2012)

今回のテーマは18歳未満禁です。18歳以上でも、品のない話に興味のない方は、これ以上読まれませんように。

ドイツの会社でも、成績のいいセールスマンをインセンテイブ旅行に招待して、その労をねぎらう。その「労のねぎらい方」は旅行を主催する会社や担当者の趣向により、形態はさまざまものがある。一般的なケースでは、週末などに高級ホテルを借りて、ここでワークショップ(レクチャー、つまり講義)を行う。しかりこのタイプのインセンテイブは、旅行を企画する側、つまり企業側には人気があるが、参加する側にはあまり人気がない。折角、いい成績を上げたのに、その代償に週末にホテルに缶詰にされて、講釈を聞かされるではたまったものではない。これではまるで罰則だ。しかし会社がインセンテイブ旅行の費用を負う限り、業務上の経費で落とす正当な理由が必要になるので、こういう形の旅行にならざるを得ない。しかしこうした旅行への参加率は低い上、セールスマンのモチベーションの向上にはあまり役に立たない。

この為、最近では講義の時間を最小限度に短縮して、観光やその他のアクテビテイーを楽しむケースが増えている。セールスマンという名前が示すとおり、こうした招待旅行に招待されるセールスマンは男性ばかり。この為、昼間は真面目な観光やゴルフ、夜は各人の責任でという事になっていた。ただし言葉も通じない外国で、安全に夜を楽しむには、「現地の事情」に詳しい「道案内人」が必要だ。中国やベトナムの都市では、「ぼったくりバー」が有名で、所持金はおろか所持品まですべて取られてしまう。それだけで済めばまだいいほうで、南米や東欧では誘拐されたり、命を取られることもある。この為、インセンテイブ旅行を企画する会社は、その道に詳しい現地のエージェントとコンタクトを取り、必要な手配を任せている。旅行後、現地の「旅行代理店」からの請求書が上がってくると、これは全部、会社経費で落としてしまえるので、これほど便利なことはない。大きな会社のインセンテイブ旅行が、こうしたアトラクションを含むのはドイツでは「公の秘密」。以前紹介したように、あのフルクスワーゲン社だって、こうしたアトラクションを会社のマネージャーに提供していた。

"Ein Gentleman geniesst und schweigt."とドイツ語で言うように、招待旅行の秘密はよく守られている。家族を持っている「招待客」も多いので、旅行の詳細が広まるのは、利益のある事ではない。ところが、ドイツ人は何か「得」をすると、自慢しないではすませることができない性格を持っている。特に招待旅行に参加した独身者などは、秘密を厳密に守る必要もないので、友人などに武勇談を語る。するとこの話が伝わって、マスコミに漏れることがある。今回マスコミに漏れたのは、現在はErgoという保険会社に名前が変わってしまったが、Hamburg Mannheimerという保険会社の招待旅行だ。100人にも上る成績優秀なセールスマンを、「水着のみ持参せよ。」と案内して、ブタペストにご招待した。インセンテイブ会社が貸しきった有名な屋内温泉の入り口には、セキュリテイーが設けられており、ここで参加者は携帯電話、カメラなどを預けるように指示された。これをパスしてやっと「温泉に入る」ことができた。そこには現地のエージェントが手配したエスコートが待ち受けており、酒池肉林状態。ウエイトレスとエスコートを区別する為、前者は白いリボンを、後者は赤いリボンを付けていた。ドイツ人らし事に、このお祭りでもしっかり統計を取る為に、お勤めを済ました赤リボンにはスタンプが押されて、人気の赤リボンには「1ダースものスタンプが押された。」という。気になるこの招待旅行の費用だが、一人頭3000ユーロもかかっている。その費用を会社が負うからには、かなり優秀はセールスマンだったに違いない。
          
この保険会社、この招待旅行が新聞で報道されてから、過去の招待旅行を調査すると、出てくるわ、出てくるわ、キューバなどの外国への招待旅行は言うに及ばず、国内旅行でも同様のかゆいところに手が届く手配をしていた。このネタはドイツのマスコミには願ってもない特ダネ(gefundenes Fressen)で、保険勧誘員がどのような接待を受けていたのか、毎週、詳しく報道された。もっとも保険会社も、「担当者はもう働いていません。」と、旨い言い逃げ口上が見つかった。この保険会社にって運のいいことに、今度は別の招待旅行が暴露された。今度は銀行の招待旅行だ。「お堅い」保険会社と異なり、カメラのチェックをしていなかったため、その招待旅行中の写真がテレビで公開されて、国民の関心は保険会社からすぐに銀行の招待旅行に移行、並々ならぬ関心を引いた。

この朗らかなニュースを提供してくれたのは、シュトットゥガルトにある不動産融資銀行、Wuestenrotだ。この銀行は2010年の春先にセールスマンをブラジルのリオへご招待した。やっと夜になると、招待客はバスの乗せられてリオの夜の探求へ出発した。市内の快楽施設に到着すると、明らかにこれが初めてではない部長が敵の陣地に突撃する小隊長(それとも招待長?)のように、"Mir Nach!"(俺に続け!)と先頭に立って、ナイトライフに突撃していった。それだけで済ませばいいのに、参加者は「課外活動」で知り合った女性を、ビーチで過ごす余暇の時間だけでなく、真面目な昼間の観光にも同伴させた(羞恥心のないファランは、何処でも同伴させる。)。日本人は外国にでると、この招待旅行でも、この西欧人の特徴が良く出ている。

銀行の発表によると、このリオの招待旅行には20万ユーロを超える費用がかかったそうだ。今の低いユーロの換算レートで計算しても、2千万円もの大金である。これを経費で落とせるのだから、ドイツの銀行は凄い。ちなみにこのリオへの招待旅行が明るみに出てしまったため、「今後の招待旅行はドイツ国内にて行う。」と銀行は声明を出したが、がっかりするには及ばない。ドイツ国内には、まだまだ楽しい招待旅行を企画、実施してる会社がたくさんある。近い将来、ここでその顛末を紹介する事ができだろう。
          

ブタペストや、
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ブラジルで、
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楽しく、
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招待旅行中。
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