"Wo ist Risse?"  (16.04.2012)

6年前に1400万ユーロもの大金を浪費して、やっと建設されたホロコースト犠牲者の慰霊碑。出来上がるまでスキャンダル続きだったが、出来上がっても、スキャンダルは収まっていない。

慰霊碑がオープンした当時から、「ヒビが入っている。」と指摘されたが、出来たばかりの慰霊碑に「ケチ」をつけると、ユダヤ人虐殺の慰霊碑という微妙なテーマだけに、また大きなスキャンダルになる。そこで関係者は見て見ぬフリをした。もっとも見ぬフリをしても、ヒビがなくなるものではない。それどころか割れ目から水分がしみ込んで、暖かくなるとこれが膨張、ヒビの数とその大きさは日々、拡大していった。

「もうこれ以上待てない。」と慰霊碑を管理する財団が、製造元に修理を要求した。財団に届いた返事は、「ヒビなんか見えない。すばらしい具合じゃないか。」というもの。ドイツでは、「非があっても、決してこれを認めない。」という姿勢が正しいとされているので、模範的なドイツ人の回答であった。そして2011年の厳しい冬がやってきた。マイナス20度を超える厳冬で、ひび割れからコンクリートにしみ込んだ水分が凍り付いてしまった。こうしてヒビが悪化、あちこちで慰霊碑を真っ二つに割りかねない大きなひび割れが生じてきた。ベルリン市は、「コンクリートが落ちてくる危険があるので、入場は各人の判断で。」と警告の看板を出す始末。

このままでは慰霊碑が割れて、慰霊碑を見に来た訪問者から怪我人が出るのは時間の問題。そうなってから対処すると、またスキャンダルになる。こうして財団は慰霊碑自腹を切って、修理を行うことにした。全部で2711ある慰霊碑でヒビが入っているのは2300ほどで、修理費は20万ユーロ。もっとも同じ製造過程で作られているので、残りの慰霊碑にもひび割れが発生するのも時間の問題だ。財団は今後、証拠を集めてこの慰霊碑を作成した会社を訴えるそうだ。スキャンダルを避けたいテーマで、スキャンダルが絶えないのが、ドイツらしい。


真っ二つに割れた慰霊碑。
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