人質、かくあるべし (12.05.2006)

以前、このコラムでイラクで誘拐されたドイツ人考古学者解放の為、どのくらいドイツ政府が頑張ったか、という事を某国政府と比較して書いたが、今日はその「誘拐」にまつわる「その後」の「問題」について紹介しよう。さて、今、イラクで誘拐されると解放には一人「頭」5百万EURの身代金が要求される。これを支払えば、人質は100% 解放される。しかし、一度、身代金を払ってしまうと、同国人の誘拐が相次ぐ。何故なら、「ドイツ政府は金を払う。」というのが知れ渡ってしまうからだ。これを証明するかのように、2月にドイツ人技術者が2人誘拐され、先週(身代金をまた払って)3ヶ月振りに解放された。
これといい対象をなしているのがイギリス政府。イギリス政府は、イギリス人人質への身代金支払いを拒否。人質は殺されたが、以後、イラクではイギリス人は誘拐されてない、何故なら、誘拐しても金にならないからだ。つまりドイツ人最初の人質として誘拐されたオストフォフ女史は悪い前例を作ってしまったことになる。
ところで、このOsthoff女史、 見かけもそうだが、只者ではない。まず長い誘拐から解放されて母国ドイツに飛行機で帰ってくるかと思いきや、ドイツ帰国前にヨルダンまで政府専用機で飛んでショッピングをした。庶民には高嶺の花である有名ブランド店で婦人用靴を試している姿がドイツのテレビで放映されて、「一体、この女性は何をしているんだろう。」と一部の国民の不信を買った。その後、靴屋で支払いの際に、彼女はドルで払ったから、彼女のガードをしていたBNDの職員は不審に思った。そこでOsthof女史が支払いに使った紙幣の番号を書き留めておいて、身代金に支払われた紙幣の番号と照合してみると一致するではないか!なんとOsthoff女史は自分の身代金でショッピングしていたのである。
これが新聞、テレビで報道されるや、今までドイツ国民の同情を一身に集めていたOsthoff女史は一気に売国奴扱い。これに憤懣したOsthoff女史はテレビに出演して、身の潔白を言い立てた。彼女の言い分はこうだ。身代金が支払われると誘拐犯人は彼女に支払われた身代金を彼女に見せて、「この通り、金が入ったから、あなたは自由の身だ。」と大喜びしていたそうだ。これを見たオストフォフ女史は、「私の苦労(お陰)で、大儲けできたのだから、私に慰謝料を払いなさい!」と交渉したそうだ。(Osthoff女史はアラビア語が堪能。)よくもそんな度胸が(本当の話なら)あるものだと思うが、犯人は「それはそうだ。」てんで身代金から彼女にお金を支払ったのだという。これが本当なら、彼女は誘拐犯から慰謝料をふんだくった唯一の人質という事になるだろう。この一幕で一番損をしたのはドイツ政府。国際関係の建前上、身代金は払っていないことになっているのに、この人質がテレビで堂々と身代金が支払われた事を言明して面目は丸つぶれ。彼女を罰したいが、払ってないお金を自分の財布に入れた罪で罰するわけにもいかない、、。以後、イラクではドイツ人は誘拐グループに大人気を博している。

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ドイツ女性は強し、、。


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