褐色の町 (16.03.2015)

「音楽に興味があるなら東ドイツがいいと大学の先生に言われました。」と留学を計画中のある日本人からのご相談。先生が善意で勧めたのかもしれないが、私だったら勧めない。コンサートの数と種類は、町の人口に比例する。岡山と東京と比べれば、どちらでの町で多くコンサートが開設されているか、数えてみるまでもない。コンサートに興味があるなら、人口の多い、ベルリン、ミュンヘンを選ぶべきだ。多分に、「ライプチッヒはバッハなどの著名な音楽家活動の地。」であった事を念頭においての推薦だろうが、それは過去の話。「広島はあの天才音楽家、佐村河内を生んだ町。音楽留学なら広島に行け。」などと広島を勧めているようなもので、現在には関係ない。さらには何度もここで紹介している通り、東ドイツはネオナチの温床。劣等民族であるアジア人には、快適な滞在先じゃない。

東ドイツに、Sachsen-Anhaltという州がある。州都はマグデブルク。この州に、誰も名前を聞いたことがないTroeglitzという町がある。ライプチッヒの南にある人口が3000人にも満たない小さな町だ。この何処にでもある東ドイツの町が、ドイツ中で有名になる事件が起きた。事の始まりはシリア内戦。大挙して押し寄せる難民に対処できず、ドイツでは閉校になった学校の体育館や工場跡に難民を押し込んでいる。これを非難された政府は、「人間らしい生活」を保障するために、難民の受け入れ場所の確保にやっきになっている。そこでこの町の町長が、町の空き家に40名程度の難民を受け入れようとした。

これが集落の住民に我慢ならない。「何故、劣等民族を受けいれる必要がある。」と反対をした。町長は、他の町も難民を受け入れている手前、この町も人道的理由から40人程度の難民を受け入れようと語ったが、ネオナチにこの理論が理解できる筈もなかった。ネオナチは町長に実力を見せるべく、県庁にて町内での示威行進を申請、そのルートに町長の自宅を選んだ。町長の家を取り囲んで、日本の右翼が朝鮮関連施設にやっているような脅しをかけるのが目的だった。町長は県庁にこの行進を許可しないように頼んだが、県庁はこの訴えに聞く耳を持たず、ネオナチの示威行進を許可してしまった。「人を助けたい。」と余計なことを考えたばかりに四面楚歌、警察や官庁からも見放なされた町長は、ネオナチの圧力に負けて辞職してしまった。他に家族を守る方法を見出せなかったのだ。

これは小さな東ドイツの集落で起きたちっぽけな事件だが、民主主義がネオナチの脅しに負けた政治的な出来事だった。かってナチスはこうして台等してきたので、「小さな町の小さな出来事」と済ましていい問題ではない。この事実が報道されると、政府与党は言うに及ばず野党まで、ネオナチの脅威にさらされた町長を見捨てた県庁の対応を非難した。同時にこのようなネオナチの活発な活動は、東ドイツではごく当たり前の事であることも認めた。ネオナチ支持者が市役所、県庁、そして警察や地方議会にいて、ネオナチに抵抗するドイツ人が現れると官庁の助けを拒否して、孤立化させる。そこへネオナチが脅しをかけると、役所も警察も助けてくれないので、この邪魔者は遅かれ早かれ、逃げ出すことになる。ネオナチに抵抗したために標的になり警察に助けを求めると、「身の安全は保障できない。」と言われ、西ドイツに非難したカップルなど、その他にもネオナチの被害者は多い。

ドイツ人でさえ、ネオナチの脅威から守ってもらえずに、逃げ出すのが東ドイツだ。外国人が快適な思いをする事はないので、出来る限り東ドイツでの滞在は避けよう。じゃ西ドイツなら安全なのかといえば、そういうわけでもない。西ドイツのドルトムントは押しも押されぬネオナチの本拠地だ。上は警察(所長)から褐色に染まっているので、ドルトムントのサッカーチームで契約を結んでいない限り、この町に住むのは避けたほうがいい。最近ではフランクフルトとマインツの「間」にあるRuesselheimという町も褐色に染まり、ネオナチが我が物顔で行動している。

K.K.Kという秘密結社をご存知だろうか。オリジナルは米国南部で結成された秘密結社で、有色人種を抑圧するのが目標で、目的の為ならその手段を選ばない残虐さで有名になった。その「支店」がドイツに存在している。正式名称は、 „European White Knights of the Ku Klux Klan"と言うが、ドイツ中に会員が存在している。その会員には警察官も含まれておりネオナチによる外国人連続殺人事件の国会調査委員会でも何度がその関与が取り上げられた。とりわけ警察官殺害事件では、事件の直前に"Verfassungschutz"(ドイツの連邦警察)がネオナチトリオと密会していた事が明らかになると、この殺人はKKK会員のドイツの連邦警察が、トリオに邪魔者の殺害依頼を行ったという説が信憑性をおびてきた。というのも、このトリオは殺害された警察官が、巡回して来る場所で待ち伏せをしていたからだ。内部情報がなければ、どうやって知能指数の低いネオナチが待ち伏せなどという知能犯罪を行えただろう。

そこまでひどい例はドイツ全土では(まだ)少ないが、警察官はアジア人に対して好感は持っていない。盗難届けを出しに警察に行くと、かなり不愉快な思いをさせられる。盗難だけで結構な精神的なダメージなのに、警察でもいじめられると、結構しんどい。ビザの更新で行く外人局でも、イスラム原理主義者を日々、相手にしているから仕方ないのかもしれないが、かなり嫌な思いをする。

日本人は日本人だけで集まって団体行動するので、ドイツ人の目には異様に映る。診察にいく診療所の医師でさえ、「日本人は日本人だけで集まって、ドイツ社会に溶け込む努力をしない。」「自分たちだけ特別な存在とでも思っているのか。」と、不快感を抱いている。そんな事とは露知らず、日本のように酒を飲んで街頭で大声を出していると、東ドイツやドルトムントではネオナチのいい標的になりかねない。まずはそのような町を、滞在先に選ばないことが第一。会社の辞令で潜在的な危険が高い町に滞在せざるをえないは、「ここに日本人が居ますよ!」という注目を浴びる行動を控えることが、自己防御に繋がることを肝に銘じておこう。


頭悪そう、、 。
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