die Lachnummer (11.01.2007)


政治と宗教の分離は(建前上は)どこの国の憲法にも謳われている通り、近代国家の原則のひとつだ。ところが、ドイツの教区司祭が「おら、政治家になるだ。」と言い出したから、それは大変な騒ぎになった。

牧師というのはとってもおいしい仕事。まず失業することがない。国が教会税という名目で「お布施」を国民の給料からさっぴいているので、お給料は安定している。住む場所は教会の傍に用意されていて、通勤しなくてもいい。おまけに信者から尊敬され、何から何まで至れり尽くせりのお仕事である。ところが、その仕事を投げ出して、政治家になると言うからには、余程の理由があったに違いない。

カトリック教の総本山、バチカンからの「考え直しなさい。」要請を蹴ったので、司祭を首になったこの元司祭は、すったもんだの末、SPDからWiesbadenの市長として立候補することになった。ところがSPDが市長の立候補届けを役所に出し忘れてしまうという信じられない(いかにも今のドイツらしい)間違いが起きてしまった。

結果としてこの元司祭は、神の裁きか、失業の憂き目に合うことになった。その後の記者会見で、元司祭は目に涙を貯めて、「それでも、私は政治家になる。」と語った。この台詞は以前、教会の脅しで持論をひっこめる事を余儀なくされたある有名人の台詞「それでも地球は回る。」を想起させた。

それほど劇的でないSPDのある幹部は、" Wir sind die Lachnummer der Stadt." (我々は、町の笑い者になっている。)と正直に心の内を語り、この台詞が新聞のヘッドラインを飾った。尚、この間違いを犯したWiesbadenの党執行部は、全員、責任を取って役職から辞任した。

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司祭から政治家になり損ねたRoth氏。
「考える人」のポーズがきまっている。

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