雇用機会均等法 (12.04.2007)

日本で男女雇用機会均等法が2006年から成立したらしいのだが、ドイツでも2006年の12月から雇用機会均等法が施行される事となった。 もっともこの法律の成立には、企業団体からかなり激しい反対があった。

ドイツ版の雇用機会均等法では男女という言葉が欠けている。 つまり日本では男女の間の差別を失くそうという趣旨だが、ドイツでは男女の性別だけでなく、年齢、障害の有無、国籍、宗教、肌の色、目の色などに拠るもろもろの差別をなくそうというものだ。流石はドイツ。と言うか、逆に言えばそれだけ差別が多いという事になる。

さて、いざこの法律が施行されてから、企業団体が恐れていたように、この法律は非常に大きな問題になっている。ドイツの新聞などで求人募集を見た人ならきっとご存知だろうが、企業がどんな人材を探しているか、年齢、職歴、技能、性別などが明確に書かれている。企業にしてみれば、高いお金を払って人材の募集をするのだから、適した人材が見つかるように、要求される能力などをできるだけ詳しく書くのである。

こうした求人広告を見たドイツ人は、よりによって自分が求められていない求人広告を探し出してそこに願書を送る。例えば、秘書の女性を募集している会社に50過ぎの秘書の経験のない男性が願書を送るのだ。勿論、断りの手紙が帰って来るが、それは百も承知。断りの手紙が届くと、すでに用意してある手紙を書留でその会社に送りつける。内容は以下の通り。「貴社は私が男性であるという理由で、就職を断った。これは明らかに雇用機会均等法の違反である。よって貴社を訴えた事をここに通達します。訴えを取り下げてもらいたければ、慰謝料として〇月〇日までに5万ユーロ支払うべし。」

この手紙が届くと企業は、会社の名前が新聞に載ってしまう事を覚悟で、裁判をするか、あるいは裁判費用を節約すべくこの求人者にお金を払うかの選択に迫られてしまう。裁判をした場合、雇用機会均等法のお陰で勝訴は望めない。そこで企業の多くは求職者「脅迫者」にお金を払ってしまうのである。

裁判慣れしたドイツ人は、毎週 何通もの「願書」を送り、その願書が返却されてくると、もう笑いが止まらない状態だ。就職を断られば、断られる程、お金が溜まっていくのだから。ドイツ版雇用機会均等法、目標は素晴らしいものであったっかもしれないが、実際には差別されている人間を救済するのではなく、就職する気のないドイツ人のみが得をする法律になってしまっている。日本でもこんな事にならないといいのだが。それともこんな事態は、ドイツだからこそ?


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ドイツでの就職活動には何よりも忍耐が必要です。



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