"fette Beute" (19.04.2017)

ベルリンの博物館島でセンセーショナルな盗難事件があった。盗まれたのはカナダ鋳造局が作成した"Big Maple Leaf"という(当時は)世界最大の金貨だ。99%以上の純度の金を使用しており、額面は「たったの」70万カナダドルだが、金の価格が上昇して時価370万ユーロ。世界で最も高価な金貨だ。個人の収集家が所有しているこの金貨は、博物館にリースされて展示されていた。

博物館を訪れたことがある人は、すぐ横を電車が走っているのを見たことがあるだろう。泥棒はこの地の利を利用して、線路から階段を使って博物館に侵入した。犯人は展示ケースのガラスを斧で砕くと、ほぼ100Kgもある金貨をリヤカーに乗せ、来た道をそのまま帰っていったと見られている。「何故、警報装置が鳴らなかったのか。」という記者からの質問に博物館の館長は、「操作の妨げになる言及は避けたい。」と言って逃げた。こんなに高価な金貨を展示しているのに、すぐに壊れるガラスに入れて、警報装置も施されていなかったらしい。

警察は犯行に使われた道具、リヤカー、斧、梯子を公開して、犯人に導く手がかりを探しているが、犯人はどこのホームセンターでも買える道具を使用しており、現時点では犯人の特定に至っていない。犯人がこの盗難に投資したのは数百ユーロ。このわずかな投資で、数百万ユーロの大きな獲物("fette Beute")を手に入れた手腕に世間はあっけにとられていると同時に、ベルリンの博物館は嘲笑の対象になってる。3百万ユーロもの貴重品を預かるなら、もっとまともな盗難防止措置を取るべきだった。今から言っても後の祭り。泥棒も、この金貨をこのまま売却するわけにはいかない。溶解されて、ばら売りされるだろうから、この金貨が出てくることは、二度とないないだろう。そして博物館長の任期も、同じく風前の灯だ。

編集後記
警察が駅のホームに設けられている監視カメラをチェックすると、朝の3時に電車の走っていない駅のホームに上がって行く3人組みが写っていた。終始顔を隠しており、駅のホームに上ると博物館の方向に歩いていくので、警察はこのトリオを犯人を見て行方を追った。数ヵ月後、3人組みのアラブ人を組織犯罪の廉で逮捕した。お見事。こんなに少ない手がかりで犯人を逮捕するんだから、ベルリンの警察の捜査能力は高い。犯人はベルリンの裏世界を牛耳る、レバノン系マフィアの構成員だった。マフィアの構成員は逮捕後も黙秘を続けており、口を割るともなさそうだ。勿論、金貨の行方は不明だ。警察は金貨は溶解されて売却されたものと見ている。


"fette Beute"
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