家族旅行。   (17.12.2007)

ドイツ人に一番人気のある休暇先は、別の所でも述べた通り、Mallorca島のあるスペインだ。これはここ数十年変わっていない。第二位はイタリア。これもここ数十年変わっていない。第三位は面白いことにオーストリア。多分に距離的に近い為だろうが、それならフランス、ベルギー、オランダ、ポーランドでもよさそうだが、そこはドイツ人の休暇、やはり言葉の通じるオーストリアを優先するようだ。その後、トルコ、ギリシャと続いてフランスはやっと6番目になっている。トルコは物価が安いので(予算の厳しい)若いカップルに、又、家族旅行地として人気がある。

ドイツでは、両親はあまり子供のことに気を配らない。例えば子供が14歳でタバコを吸おうが、何も言わない。又、ドイツ人は性的に成熟が早いので、両親が子供をほったらかしにしていると(何も知らないから)よく14~15歳の子供が妊娠して問題になっている。(ドイツ人男性は、避妊処置をしない。)流石にそんな事態になるとJugentamtが出てきて、両親から養育権を取り上げて、14歳の親子共々施設に送り込む。そんなことをしても何の解決にもならないのだが、何かしないとまた非難されるので、このような処置が取られることになる。両親がそういうていたらくだから、ドイツ人家族が家族旅行をしても、両親は子供を放ったらかし。そのいい例が、この4月にトルコに家族旅行をしたドイツ人家族。この両親の息子のMarco(17歳)は、「若い盛り」で、親の目が届かない場所に来たら、目的はただひとつ。旅先で彼女を作ることだ。ビーチで少女と知り合うと、早々にホテルに連れ帰ってしまう。それは自体は特に珍しくもないのだが、Marcoは「若い盛り」であった為、相手の承諾なく、事に至ってしまう。それも相手が寝ている隙に、、。

この少女はそんなことをされて、黙ってはいない。両親の泊まっているホテルに帰ると、一部始終を両親に暴露。両親は直ちに警察に通報、後先見ないで行動したMarcoは暴行罪容疑で逮捕され、トルコの刑務所に放り込まれてしまう。これを若気の至りと言わないでなんと言おう。事を複雑にしたのが少女の年齢。なんとまだ13歳だった。Marcoは17歳にもかかわらず、流石ドイツ人、「僕は何もしていない。」と無罪を主張。しかし、少女が病院で検査を受けると、Marcoの「遺伝子」が「至る所」で確認された。(ドイツ人男性は、避妊処置をしない。)

その後、Marcoを訴えた少女はMarcoが刑務所に入れられると、「いい気味」と思ったに違いない、両親と一緒にさっさと英国に帰ってしまう。これにより起訴の準備が遅れに遅れる。半年以上もトルコの悪名高い刑務所にぶちこまれて、未だに正式に起訴されない状態が続いた。このストーリーをドイツのテレビ局が放映すると、ドイツ中で「トルコはひどい!」という雰囲気ができあがった。選挙に向けて点数を稼ぎたい政治家も登場して、「トルコがそんなことをするようでは、EU加盟は遠のく一方だ。」とトルコ非難。(以前、ドイツでナチスがユダヤ非難を行って、人気を稼いだのと同じ方法。)これはトルコ国内で起こった犯罪なのに、ドイツが「治外法権」を振り回して、ちょっかいを出してくるとトルコにとっては気分が悪い。例えばトルコ人がドイツで捕まって、トルコ政府がその解放を求めたりしたら、ドイツ政府は即座にこれを拒否しただろうから。だからトルコ政府は意地になってドイツ側の要求を無視する。こうして政治の道具に使われたMarcoの「トルコ滞在」は長くなる一方。最後にはドイツの外務大臣、そして首相までがMarcoの解放を要求する事態にまで発展。その後、ドイツ国内で活動するトルコ観光団体が、「このまま事態が悪化すると、今後、トルコで休暇を過ごすドイツ人観光客の数に影響が出る。」とトルコ政府にMarcoの恩赦を願いたてた。その甲斐あってMarcoは10ヶ月ぶりに釈放されて、特別機でドイツに帰国した。

この一件ではドイツ人の団結力をみせつけられた。Marcoは未成年とは言え、その行状は決して褒められたものではない。ましてやその両親の教育などは、今のドイツを象徴するものだった。しかし、このテーマがドイツで報道されている間、Marcoに対して、あるいは両親に対しての非難は一切聞かれなかった。もし、この事件を起こしたのが日本人だったらどうだったろう。13歳の少女ということもあり、週刊誌で興味本位で取り上げられることはあっても、決して外務大臣や首相が(目的は別であっても)その解放を要求するなどということはなかっただろう。ましてや一般の市民の間では、「国の名を辱めた。」として非国民扱いだったに違いない。この点がドイツ人と日本人では大きく違う。ドイツ人には、団結の文化がある。逆に日本人は切り捨ての文化がある。この事件を通して、ちょっぴりドイツ人がうらやましく思えた。


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マルコの「解放」を報道する新聞。


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