Schroeder der Standhafte  (05. 11.2004)

ドイツの与党SPDが選挙の度に支持を失い、政権維持が危うくなっていることはここで紹介した。支持率低下の一番大きな理由は、国民の福祉を削っていく党の方策、Agenda 2010にある。しかしあまりの不人気の政策の為党内で支持を失い、党首兼、首相であったSchroeder氏は党内左派の圧力で、党首の地位を明け渡す羽目になった。形の上では「政務に集中するために、自発的に党首の地位を放棄。」と、記者会見を行なったが、会見の途中で首相の目に涙が溜まっていてのはどんな言葉よりも首相の心情を露呈した。
新しく党首に就任したMuentefering氏は党首就任の感想を問われ、"Das ist das schoenste Amt neben dem Papst"「教皇の次に素敵な職だ。」と正直な感想を述べて、記者団ばかりか、元党首のSchroeder氏の笑いを誘った。しかし頭を挿げ替えたくらいでは支持率の低下は止まらず、SPDは地方選挙で負け続け、EU議員選挙でも負け、お先真っ暗な状態だ。2005年からドイツではHarts4という法律が施行され、失業保険の規模改革が行なわれる。これにより今まで何もしないで失業保険で生活をしていた数百万の失業者への失業保険支給が、減額される事になる。これがきっかけとなりドイツ全土で失業者の抗議行進が自発的に組織され、Schroeder muss weg! をスローガンに失業者がデモを行なうまでになった。普通は、ここまで国民の支持を失うと政府は政策を変更したりして、次回の選挙に向けて人気取り政策を実施するもの。しかしSchroeder氏は幾度選挙で負けても、「この道は正しい道だ。政策変更はあり得ない。」と政策の変更を拒否し続けている。当初は、国民の意思を無視して人気のない政策を実施する首相を非難していたマスコミだが、壁を背にしても一歩も引かない首相に、Schroeder der Standhafteと、敬称を謙譲した。流石にあそこまで、国民、マスコミに愛想をつかされて、コケにされても自分の信念を曲げようとしない首相の態度には尊敬すべきものがあり、マスコミも少し、尊敬の意味を込めて首相をこの敬称で呼ぶよう になった。実際、2004年9月、10月の選挙では、政府与党はいくつか地方選で小さな勝利を収め、世論調査でも政府与党がわずかだか、毎回、着実に支持を取 り戻しつつある。ドイツ語で「意志あれば、道あり。」と言うが、まさにこれを象徴するかのような首相の見事な「standhaftさ」である。


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SPD党首の座を明け渡すシュレーダー氏

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高卒にもかからず見事な出世を果たしたミュンテフェーリン氏


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