優秀性 (22.04.2005)

ドイツ語で優秀(性)という言葉、"Ueberlegenheit"は以前、ナチスが「ドイツ民族は最も優れた人種。」と好んで使った言葉で、時代が変わってもドイツ人が今でも大好きな言葉の一つだ。「ドイツの車は世界で一番優れている。」とか、「ドイツの輸出高は世界一。」と、とにかく事ある事に優秀性を誇張しないと気がすまない。ちなみにドイツの国歌もDeutschland ueber Alles/世界に冠たるドイツというから、どれだけドイツ人が優秀という言葉を好きかおわかりだろう。もっとも、第二次大戦の敗北でこの言葉は少し苦味を加味されたが。(戦後、やはりこれではまずいだろうというので、 国歌の名前だけは変わったが中身は同じ。)

おりしも新しい法王が選ばれ、400年ぶりにドイツ人が法王に選ばれたという事も手伝って、ドイツ国内のカトリック信者は大喜び。きっとこれがきっかけになったのだろう、ドイツで最大の人口数をかかえるNordrhein Westfalen州のCDU(野党)党首、リュトッガース氏が(よせばいいのに)テレビの会見にて「カトリック教は、他の宗派、例えば、プロテスタント、あるいは他の宗教、ユダヤ教、イスラム教などに比べ、明らに優れている。」と、またドイツ人の好きな言葉を使ってしまった。政治家が演説の下書きなしで自由に発言をすると、どんなに常識に欠けている発言をするのか、その見本のような発言だった。

地方選挙を数週間後に控えるこの州の与党(SPD)は、世論調査で大きく野党 (CDU)に遅れを取っていただけに、この発言に狂喜した。このチャンスを逃せば決して勝ち目のない与党は、この発言を非難してその撤回を要求した。これはこの州内に数多く住むプロテスタント系住民、あるいはトルコ系などの異宗教の票をねらったものである。。果たしてこのカトリック教の優秀性発言で、与党が不利な選挙戦を挽回できるか、結果を見るのが楽しみだ。


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下書きがないと、すぐに問題発言をするリュトッガース氏。
   

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