お見合い。 (12.10.2005)

ドイツで総選挙が終わっても、一体、だれが政権を担当するのかわからない状況が3週間続いた。原因は2大政党の支持率の後退だ。どの政党も過半数にははるかに届かず、おまけにこれまでのパートナーと連立政権を組んでも過半数を獲得できないから、結婚相手を新しく探す必要が生じた。しかし今まで憎しみ合っていた政党が都合上の結婚をするわけだから、簡単に行くはずもない。これが原因となり、総選挙が終わっても、誰が次の首相になるのかわらない状況が続いた。

この状況を悪化させたのが現首相の言葉。選挙後の討論会で首相はひどい選挙結果に呆然としているCDUの党首、首相候補に、「あなたの大失態の後で、私の党が、あなたを首相にする話し合いに臨むと本気で思うのかね。」と言い放った。この言葉に、メルケル女史は見るからに狼狽して、一言も言い返すことができなかった。

以後、SPDとCDUの連立政権の話し合いはSPDが終始、リードする事となった。SPDは国会において第二の勢力しかないのに「シュレーダー氏が首相を継続する条件でしか、連立政権はあり得ない。」とメルケル女史を押しまくる。おそらく本人は、首相の地位は維持できないとわかっていたのだが、連立政権内でSPDの地位を強化する為に、敢えて無理難題を押し付けて交渉を有利に展開した。結果としてSPDは連立政権内で8つも大臣のポストを獲得する事になった。
CDUは首相を立てることができるが、首相、官房庁を除けば、6つの大臣とかなりSPDに妥協した形となっている。面白いことに首相はその座を明け渡すことがわかってからも終始陽気で、記者団に冗談を飛ばしまくっていた。これを見て政治記者は「首相は、何かとっておきの裏の技を用意しているのでは」』と疑う者や、「いや、メルケル女史と一緒に働くのが嫌で、逆に退陣の理由ができてほっとしている。」など、さまざまな噂がささやかれている。
今後、CDUの党首のメルケル女史は、国会で首相に立候補して過半数の賛成票が得られれば、ドイツで初代の女性首相となる。もっともこの連立政権に反対する議員は、SPD党内どころか、CDUの党内にまである始末だから、まだ100%メルケルl女史が無事、首相に選ばれると決まったわけではない。ましてや、あの情けない選挙結果の後だけに、メルケル女史を党首からひきづり下ろして自分が首相になろうとたくらんでいる反メルケル派が、てぐすねを引いて待ち受けている。


113.jpg
選挙に負けてもまだ記者団に冗談を飛ばす首相


スポンサーサイト

0 Comments

Post a comment