おらが城 (17.04.2006)


中世の時代には諸侯が競って城を建てた。勿論、領土の防衛という意味合いもあったろうが、多分に自分の権力を誇示する目的もあった。だから、領土の防衛を目的とした城をドイツ語ではBrugと言い、ただ自分の権威を誇示する為に作った城をSchlossと言う。こうした意味のない税金の無駄使いは中世から近代まで、現代はそうした馬鹿な領主もいないし、まともに税金が使われていると想像してしまいそうだが、ドイツでは、権威を誇示する城作りが未だに盛んである。
地方自治体は、破産寸前で公共施設、道路は荒れるがままでとても修理などに回す金はない。それなのに東ドイツを中心に、空港や、サッカーの競技場がまるで春先に竹の子が地中から顔を現すように、そこら中でぼこぼこと建設されているから、不思議だ。特にひどいのが空港。全く必要性のない空港が、何億EURもの税金を使って濫立している。特にひどい例がHof空港とErfurt空港だ。1日の発着、到着はそれぞれ1便。1日の空港利用者は200人にも達しないのに広大な空港を作ってしまった。この馬鹿らしい空港建設の理由のひとつに、国から出る補助金がある。
空港がある程度の利用者(200人では全然足りない)を超えると、国からおいしい補助金が出るのである。だからErfurt空港の社長はありもしない空港利用者の数を挙げて国に補助金申請、まんまと補助金をせしめていた。申請された空港利用者の数が現実的なものか、全くチェックしない国も悪いが、この社長は飛行機の居ない空港の格納庫に(補助金で買った)自分のボートを停めておくというまるで中世の諸侯のような振る舞いだった。
結局、3年ほどでこの悪事がばれて、やっと国が調査を開始したが、この社長は、「身に覚えのないいいがかりだ。」と全く罪の意識がない。こうした意味のない空港建設の裏には、政治家の面子も大きな役割を果たしている。 選挙に勝って町を取っても、に空港がないと箔がつかないのである。結果として市長(諸侯)は「おらが城」とばかりに競って空港を建設している。そんな状態だから空港の採算性なんて度外視。いざとなれば(ライブドアのように)粉飾決算をして、国から補助金を取ればいいと考えている。ドイツの政治家(諸侯)のメンタリテイーは、中世の頃から全く変わっていない。

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諸侯(地方政治家)の城、Erfurt空港



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