Elterngeld (25.02.2007)

ドイツに限らず先進国では出生率が低く、高齢化社会が大きな問題になっている。高齢化社会の難点は、老人介護とその財政の確保に加えて、国が年金を払えなくなる事だ。

ドイツでは少子化に加えて経済情勢の悪化で、年金の掛け金を払う人が激減、事実上、年金制度が破産した。そこで、手始めにこれまで月初めに払っていた年金を、月末に支払うという小手先の変更をした。これに続いて、これまでは毎年、上昇していた年金支給額を据え置きにする事にした。しかし年金受給者の数が増え続け、年金基金への払い込み者が減る一方であるから、一向に年金国庫の状況は改善されないので、今度は年金に税金をかけて、年金支給額を事実上削るという非常手段に出た。それでも年金国庫にはお金が不足するので、最後には年金支給年齢を65歳から67歳に引き上げる事も決定。

これだけの応急処置をとってみたところで、老人は増える一方、年金の掛け金を払うべき若者の数が減る一方なので、根本的な問題の解決には繋がらない。問題は根底から解決しなくてはならない。 つまりなんとかして、出生率を上げなくてはならない。そこで政府は2007年1月1日以降に子供を出産した親に対して、Elterngeldという補助金を支払う事を決定した。これは出産の為に育児休暇を申請せざるえを得ない両親に対して、補助金を申請するもの。支給額は産休前に支払われていた給料の手取額の67%。補助金の支給期間は12ヶ月。もし、旦那も育児休暇を取る場合はさらに2ヶ月延長されて14ヶ月間の支給になる。

ドイツではこれまで子供をもつ親にKindegeldという補助金が支払われていた。(子供一人頭、月154EUR。支給期間は、子供が18歳になるまで。)これに加えてElterngeldが支給される事で、子供を持つ事に決心した両親の経済的な負担は少し軽減される事になる。

しかしドイツでは育児施設の発達が発展途上国並み。まず子供を預ける場所が極端に少ない。あってもかなりお金がかかってしまう。さらには、運良く育児施設に子供を預ける事ができても、この施設はドイツらしい事に16時に閉まってしまうので、母親は子供を引き取りに行く必要があり、結局、仕事と育児の両立はほとんど不可能。結果として、子供を持つ事は未だに両親にとって大きな負担となっている。

これといい対象をなしているのがフランスだ。フランスでは政府の方針により、育児施設の数は十分に用意されており、おまけに費用もかなり安い。お陰でフランスの出生率はヨーロッパのトップで2.1に達した。ドイツの出生率は未だに1.3という低水準を維持しているので、まだまだ政府の革新的な努力が必要だ。

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北欧に比べ、ドイツでは男性の育児休暇はまだ稀な光景。



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