"Kinder statt Inder" (03.05.2007)

5月1日に発表された労働局の統計によると、登録されている4月の失業者の数が5年ぶりに(再び)4百万人を割り、ドイツ経済の景気回復が、消費税の値上げにもかかわらず、いよいよ明確になってきた。特に建築業界では、ドイツ統合での建築ブームで建設会社は大規模に設備投資を行った。建築ブームは2002年頃から完全に下火になり、その後の長引く不景気で会社の倒産が相次いだ。どこの建築会社も不景気に合わせて労働者の数を少なくしていただけに、今度は熟練労働者が足らないと悲鳴を上げている。

同様に人員不足を叫んでいるのはIT業界だ。景気回復に伴って、企業は投資を始めるが、プログラミングできる人材が足らない。大学新卒者を1年間待つたところで、引き手あまたなので、人材が確保できるときまったわけではない。この人材の不足を見た政府与党CDUは「外国からITの専門家を連れてくるべきだ!」と言い出した。しかし連立政権のパートナーであるSPDは、「外国人を採用する前に、失業しているドイツ人労働者に職業訓練を施すべきだ。」と、外国人技術者の導入に反対している。

ドイツでは前シューレーダー政権(SPD)が、極端に不足していたITの専門家をドイツに呼び寄せようと、アメリカのグリーンカード制度を真似て、(名前もそのままに)グリーンカード制度を導入した。ところが当時は、5百万人近い失業者がドイツに居たから、野党(CDU)のRuettger氏(現NRW州知事)は、"Kinder statt Inder"「インド人の代わりに(ドイツ人の)子供を!」とやって、このグリーンカード制度を非難をした。ピンと来ない人の為に説明しておくと、インドはIT大国。ITの専門家と言えば、ドイツでは自然にインド人(Inder)を連想する。だから語呂がいいKinderと併用して、ドイツ人の感性に訴えかけたわけである。勿論、 この発言が、人種差別発言として大顰蹙を買った事は言うまでもない。

それからわずか3~4年経って、当時ITの専門家の導入を非難したCDUが外国からのITの専門家の導入を提唱して、当時、ITの専門家を呼び入れたSPDがこれに反対するのだから、これほどの茶番劇もない。


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グリーンカードを取得してドイツにやってくるインド人
(Ruettger氏 談)



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