手前味噌 (23.08.2007)

政治家の夏休みが終わった途端、政治家がいろんなテーマで話題を提供している。ここでその幾つかを紹介しておこう。

今、政党にとって一番深刻な問題は、環境汚染でもなければ、失業問題でもなく、党の資金問題。政治家が特権階級に有利な政治を長年続けてきた為に、党員が党執行部に愛想をつかして次々と脱党している。それも大量に。CDUは90年以来なんと28%も党員を失い、SPDに至っては40%以上も党員を失っている。党にしてみれば、党員の数が減るのはまだ我慢できるとしても、困るのは党員が納める「会員費」。これがなければ、党の財政がなりたたない。しかし、今後も党員が減ることはあっても、増える事はないと冷静(正確)に現実を把握した連立与党のCDUとSPDは仲良く、税金を政党の財政補助に寛大に使用する事を決定。これを国会で採決して合法的に税金で党の財政を立て直すと雑誌で発表した途端、野党は言うに及ばず、市民団体、挙句の果てには(まだ残っている)自身の党員からの大反対にあってしまった。

実は、ドイツでは政党の財政援助の為に、すでに年間13億ユーロもの税金が使われている。しかし、このままでは上述の事情で、将来はますます党の財政が厳しくなることは必死。そこで議会で過半数を占めている今のうちに手前味噌で一気に15.3億ユーロまで拡大してしまえ!と考えたわけである。しかし、あまりの反響(反対)の大きさに驚いた党首脳部は、自分の首を救うべく(この議題を提出することを命じた)SPDの「財政委員長の一人相撲」であり、党の意見ではなかったと言い訳。こうして、このテーマは茶の間に話題を提供したものの、国会で議題に挙げられることなく消えていった。

すると今度は人気の損失でCDUに大差をつけられているSPDは、人気(党員)回復の為の別のアイデアを考え出した。それはドイツで(すでに有名無実化している)徴兵制度を撤廃して、ドイツ軍を(自衛隊のような)職業兵士のみで構成しようというもの。別の場所でも書いたが、今のドイツ人は戦争が大嫌い。だから、どこかで紛争が起こると、(誰も尋ねてもいないのに)「ドイツ政府は、兵を派遣しない。」というだけで、人気が(短期間)上昇する。そこで、SPDの党執行部はこの伝家の宝刀を持ち出したわけである。 勿論、連立与党のCDUがこれに反対して、人気を落とすだろうと先を読んでの一策。

この議題が実際に国会に挙げられることはない。CDUとSPDは連立政権を組む際に、「連立政権規定書」なるものを交わしており、これにドイツ軍に関しては現状維持として規定されている。もし、SPDがこの規定を破って、国会にこの議題を出せば、連立政権が破綻してしまう。だから、今回のこの「徴兵廃止案」はSPDの人気取りのリップサービスとしてみるべきで、近い将来に徴兵制度の是非が国会で問われることはないだろう。だいたい、すでに今の時点で40万もの徴兵されるべき若者が居て、実際に徴兵されているのは3万人にも満たない。実際面では、徴兵制度はすでにその名前、Allgemeine Wehrpflicht(皆徴兵制)にさえ適しなくなっている。

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減り続ける2大政党の党員数

 

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